我流「バランス」考
ワーク・ライフ・バランス。
バランスと言う名の何かなのだが、何をどうバランスするのか、今ひとつはっきりしない。
オフィシャルとプライベート、オンとオフ、などと切り替え論をよく耳にするのだが、そんなに綺麗に切り分けられるものなのだろうか?
ワークとてライフの一部としてバランスするものであって、オン/オフという見方は馴染まないと思う。そして、そう思う人は僕だけではない。
さりとて、朝から晩までこなしてるだけの仕事をこなすような生き方は、バランスの悪いものだと思う。
つまりは、どんな小さな事でも創造的に思考するのであれば、それはワークというライフの一部をバランスしているのではないかと思う。
と、訳の解らないことを書いた所で「バランス」という単語について考えてみようと思う。
【名詞】天秤、釣り合い/均衡/差し引き残高…
【動詞】平衡を保たせる/釣り合わせる/比較する
(研究社 新英和中辞典)
ここで「平衡」という言葉に注目してみたい。
(1)物の釣り合いがとれていること。変化すること無く安定に存在していること。
(2)力が釣り合っている状態。力学的平衡。
(3)系のエネルギーが変化しない状態。熱平衡。
(三省堂 大辞林)
と説明されているのだが、どうしても物のことを第一に想像してしまうのは、自分の想像力の貧困を痛感させられる。
しかし(3)には「熱平衡」という説明がある。熱平衡は「動的平衡」(見かけは状態が変化してないが相互に逆向きのエネルギーの流れが釣り合っている状態)であるらしく、実は常に動いている。
ワーク・ライフ・バランス。
動的平衡だと思えば、ライフの中にあるワークは、オフと言われるものの中を還流してオンに達して、またオフに還流していく、と見てもさほど大きな齟齬はないであろう。
それが綺麗にバランスしているように見えるのが理想状態だと定義すれば、綺麗に切り分けてしまうことは意味を失って、ワークとライフは相互作用を果てしなく昇華して、ひとつに融け合ってしまうのではないだろうか?
何となくそこそこ綺麗にまとまった気がするので、よしとしよう。