サイエンティスト/テクノロジスト

本日の中日新聞「時のおもり」(池内了総合研究大学院大学教授)より。

普段「科学技術」というコトバを使っていたが、池内先生によると「科学」と「技術」は異なるものであると。

  • 科学
    • 語源はラテン語のスキエンチア
    • 意味は総合的な学術の知≒真理発見の知
  • 技術
    • 語源はギリシャ語のテクノロジア
    • 意味は組織化された手練≒創造の知

従って、本来的に異なり且つ目標も異なる。

うむ。真理は唯一無二だが、創造は逸脱を許す。また、その後のくだりで、

科学は人間と独立した普遍性が命であるのに対し、技術は人間に密着した特殊性を追求する。また、科学は理想状態における原理的世界を議論するが、技術は現実世界との妥協が不可欠である。

とあり、技術の実業感が良く表現されていると感じる。「科学技術」というコトバは長く使われてきたようだが、最近、「科学・技術」と改めたそうだ。

翻って自分は何だろうと思えば、どうやってもテクノロジストでサイエンティストではないと解る。普遍的真理にもちろん興味はあるが、それよりもそれがどんな「モノ」として実現しうるかを創造するコトが愉しい。また、「モノ」は使う人の経験を創造するものであるから、どんな創造をしたら、ドキドキ/ワクワク/ビックリ、を経験し得るか想像すると、この愉悦からは逃れられない。

あー、自分はテクノロジストなんだ、と改めて思う。