国語力

コミュニケーション能力については、前も書いたし今更説くほどの事もありませんが、テクニック面を言語化してまで説明できてはいません。指示代名詞についてのテクニックを解説した記事があります。

指示代名詞とは「これ」「それ」「あれ」ですが(this/it/that)、何処から何処までが指示代名詞で示されるか? は、使いようによっては意味不明な文章になります。特に英語の論文などでは、ひじょーに長い関係代名詞を使った説明などがありますが、これは構文上複雑になっていき、読解能力を問われます。あまり長くなると、「そこのitはどの名詞を受けたんだ?」というところが判らない文章にもなってしまいます。日本語とても同じ事で、指示代名詞が何を指しているか? その範囲が明確になるようにしないと、意思疎通がうまくいかないことになります。そこで、開米氏がどうしたかというと、箇条書きにせよ、ということですね。こうすると、指示代名詞を使わないで範囲を示すことができ、「何を伝えたいか?」が明確になりますね。
ところで、「ホール・パート・ホール」という伝え方があるそうです。単純に、Whole/Part/Wholeということで、プレゼン・テクニックとしても重要です。というか当たり前かもしれません。最初にAgendaがあって、詳細を説明し、最後にまとめる、云ってしまえばそういうことです。振り返って普段のコミュニケーションではどうするか? 私が上司に相談するときには、例えば、「2つ相談があります」と切り出します。Wholeの部分です。すると相手は話がある程度展開しても、まだ続きがあるかどうか? という部分で気構えを持ってくれますので、だらだらとした印象を与えずにすみます。あとはPartで詳細を説明し、最後のWholeで話の内容を確認して去る、というプロセスが常套です。
今日、セミナーがありまして、講師の最近の知見として「感情は受け取る側が生成している」という話がありました。つまり、何らかのイベントがあった場合、受け手側の経験や感じ方に基づいて感情が湧き起こる、従って「印象を与えずにすむ」というのは後ろ向きな考え方ではなく、積極的に不快なコミュニケーションを避ける為の手段である、とも云える訳です。